腹部・頸部エコーとは
当クリニックでは、腹部エコーと頸部(頸動脈)エコーを行っています。なおエコーとは超音波検査のことです。同検査では超音波(人の耳では聞き取れないとされる高い周波数の音波)を使用し、これを観察したい部位(腹部、頸部など)に当てていきます。そして、そこから返ってきた反射波(エコー)を超音波診断装置がキャッチして、コンピュータ処理が行われることで、内部の様子が画像化され、病変が疑われる部位の確認などができるようになります。
検査方法ですが、まず検査対象の部位(腹部や頚部など)となる皮膚にジェル状のものを塗ります。そして塗布した箇所にプロープ(細い筒状のもの:探査子)という小さな医療機器を当てていきます。ここから超音波が発信されていきます。検査時間は検査部位によりけりですが、おおよそ20分くらいです。
なお超音波検査は、レントゲン撮影(X線撮影)やCTと同じく画像診断のひとつですが、放射線被爆の心配もなく、検査時に痛みが伴うこともありません。
腹部エコー(腹部超音波検査)
腹部エコーでは、腹部の臓器(肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓など)や血管に向けて超音波を当てていきます。これによって、各臓器で見受けられる病変(腫瘍、結石、炎症等)などを確認することができ、腫瘍の場合はその大きさだけでなく、深達度などについても確認できるようになります。
腹部エコーで見つかる主な病気
- 脂肪肝
- 肝臓がん(肝腫瘍)
- 肝のう胞
- 肝内結石症
- 胆石症
- 胆のうポリープ
- 膵のう胞
- 膵臓がん(膵腫瘍)
- 腎のう疱
- 腎結石
- 腎臓がん
- 脾腫
など
頚部(頸動脈)エコー
主に頸動脈(首の左右に1本ずつある太い血管で頭部に血液を送っている)の血液の流れや詰まり具合を確認するほか、動脈硬化の進行度合を調べるといった目的でも行う検査になります。
動脈硬化を発症するようになると血管壁が肥厚あるいは硬くなるわけですが、その様子を画像で確認でき、(頸動脈の動脈硬化の)進行度合いも調べられるようになるので、全身における動脈硬化の状態というのもある程度評価できるようになります。また、脳梗塞、心筋梗塞、大動脈解離といった重病を発症するリスクを推測することも可能なので、日頃の生活習慣を改めるなどの予防対策をとることができるようにもなります。